締め切られたカーテンの隙間から漏れる月明かりが、祐一を照らしていた。
 天井に取り付けられた蛍光灯は、今はその役目を果たしていない。
「祐一さん、起きて」
 何者かが、静かに寝息をたてる祐一の意識を呼び起こそうと、彼の身体を揺する。
「ううん・・・」
 鈍いあくびが、祐一の目覚めを周囲に知らせた。
「ようやくお目覚めね」
 秋子は、我が子を見守る母の面持ちで、祐一の眠けまなこを見つめた。
「秋子さん・・・?」
 祐一の視界に、秋子の笑顔が浮かび上がる。
「どうしたんです――」
 言いかけて、祐一は異変に気付いた。
 違和感から、宙に向けていた視線を自分の身体に落とすと、小さな悲鳴をあげた。
 彼は、一糸まとわぬ姿でベッドに背中を預けていた。
 慌てて起き上がろうとするが、手首に食い込む痛みが、祐一をベッドに押し戻す。
 彼の両手は、荒縄でベッドの脚に縛り付けられていたのだ。
 理解を超えた自分の有り様に、祐一は声を出すことが出来ないでいる。
「あ、秋子さん、これはどういう・・・」
 懸命に言葉を搾り出すも、あとが続かない。
 秋子は、要領をえない祐一の問いには答えず、ただ笑顔をたたえている。
 秋子の奥に人気を感じた祐一が目を凝らすと、彼女の娘らしき少女の姿があった。
「名雪?」
 祐一の認識が正しいことを示すように、名雪と呼ばれた少女は視線を伏せた。
「―――!」
 声なき叫びを発したのは、やはり祐一であった。
 恥ずかしそうに頬を赤らめる名雪。
 シルク製のブラジャーとパンティ、彼女の肌を覆うのはそれだけであった。
 随所に曲線を描く、しなやかな裸体が、月明かりに照らされて白く浮かび上がっている。
 祐一が視線の焦点を秋子に合わせると、彼女も娘と同じ姿をしていた。
「さあ、始めましょう」

 秋子は、祐一の両足をまたぐように両膝をベッドにつき、腰を落とす。
「秋子さん、何を・・・」
 黒い茂みからそそり立つ陰茎を、秋子は口の両端を吊り上げながら見つめた。
 秋子は、陰茎の付け根からぶら下がる袋に右手を伸ばすと、
 巧みな指使いで刺激を加え始めた。
「―――うっ」
 押し寄せる快楽の波に、祐一は弓なりに背をそらした。
「秋子さん、やめて下さい・・・」
 喘ぎを噛み殺しながら嘆願するが、秋子は、妖美な指の動きを止めようとはしない。
 緩やかな波と激しい波が交互に繰り返され、祐一の意識を恍惚の極みへと導く。
 下腹部に集まった血液が陰茎に流れ込むと、膨張し、硬度を増してゆく。
「名雪もやってごらんなさい」
 背後で息を呑んで見つめていた名雪に、秋子が視線を移した。
「うん・・・」
 名雪は秋子と入れ替わると、すくい上げるように袋を撫でた。
「くっ、名雪・・・」
「祐一、気持ちいい?」
 慣れていないのか、秋子と違い、指使いがたどたどしい。
 それでも、祐一の喘ぎが途絶えることはない。
 息遣いは荒く、陰茎の先端からは、ねっとりとした液体が顔をのぞかせ始めている。
「そればっかりじゃ、祐一さんも飽きちゃうわね」
 秋子は名雪の手をとると、充満した血液ではちきれそうな陰茎を掴ませた。
「祐一の、熱い・・・」
「ほら、こうやって」
 秋子の指示に合わせ、名雪の手首が上下の往復運動を始めた。
 掌と陰茎の摩擦が、祐一の射精感を高めてゆく。
「あら、もうこんなに・・・」
 陰茎を伝う、精液の細い線を認めた秋子は、悪戯な笑みを浮かべる。
 秋子は名雪と入れ替わると、下腹部に頭を垂れた。

「いい、名雪。お母さんのをよく見ておくのよ」
 暖かく湿り気を帯びた秋子の舌が、陰茎を滴る精液を舐めとった。
「ううっ・・・ああ・・・」
 陰茎を這う舌の感触に、祐一はだらしなく喘いだ。
 秋子の舌は、さらに陰茎の側部へと伸びる。
 乾いた皮が唾液に濡れ、それを覆うように白濁の液体が滴る。
 秋子が頭を動かすたびに、上品なブラに収められた豊かな乳房が、波打つように揺れる。
 快楽にむしばまれた祐一の息遣いは、獣を思わせるほどに深く太い。
「うふふふ、もう少しね」
 ゆっくりと舌を引き、ブラをまくし上げた秋子は、
 身体をくの字に折り、たわわに実った乳房の谷間に陰茎を挟み込んだ。
 柔らかく、弾力に富む感触が、左右から祐一の陰茎を包み込む。
「ああ・・・くっ・・・」
 秋子の上半身が規則的に上下し、射精を待ちきれない精子が乳房にこぼれ落ちる。
 左右から押し寄せる快楽の波に、祐一は頬を上気させ、夢心地の視線は宙を泳いでいる。
「そろそろね」
 秋子は、乳房に添えていた手を離すと、空いた右手で陰茎を掴み、口に含んだ。
「うう・・・あああ・・・」
 熱を帯びた柔らかな舌が、射精寸前の陰茎に絡みつき、縦横無尽に滑る。
 唇の隙間から漏れる卑猥な音が、快楽の園に響き渡る。
 祐一は射精した。
 のけぞり、陰茎は脈打つごとに白濁の欲望を吐き出す。
 熱い塊が秋子の喉を打つ。
 秋子は、陰茎を包む掌を激しく上下に反復させ、残された精子を搾り出した。
 祐一の苦味を丹念に味わい、満足すると、ゆっくりと食道に流し込んだ。
 艶やかな唇からは、飲み干せなかった精子が糸を引いて垂れている。
 祐一は脱力し、虚ろな瞳で天井の一点を見つめていた。
 これでようやく解放される。
 少なくとも、祐一はそう考えた。
 しかし、秋子の口からつぐまれた言葉は、祐一を再び快楽の海へと誘うものだった。
「次は名雪の番よ。ちゃんと祐一さんを気持ちよくしてあげるのよ」

 名雪は恐る恐る、祐一の精子と母の唾液にまみれた陰茎に手を伸ばした。
「名雪、やめてくれ・・・」
「大丈夫・・・」
 あえてそうしたのか、名雪の返答は要領を得ていない。
 精子を吐き出したばかりの陰茎に、血液が逆流した。
 名雪が、しおれつつあった陰茎をくわえたのだ。
「ぐっ・・・」
 味わいたくないのか、名雪は舌を引っ込め、唇だけを滑らす。
 それでも、薄い皮に覆われた性感帯を刺激するには十分だった。
 喪失したはずの射精感が、再び頭をもたげてきた。
「ダメよ、名雪。ちゃんと舌も使わなきゃ」
 口元の動きからそれを察したのか、秋子はささやくように言った。
「っつ!」
 次の瞬間、祐一は痛みからのけぞった。
 舌を出した名雪が、陰茎に歯を立ててしまったのだ。
 名雪は慌てて舌を引っ込めるが、秋子は優しく諭した。
「丁寧にゆっくりと・・・そう、アイスクリームを舐めるみたいに・・・」
 秋子の助言が功を奏したのか、
 つたなかった陰茎を這う舌の動きが、徐々に滑らかになってゆく。
「はあ、はあ・・・」
 同時に、祐一の喘ぎも荒くなる。
 初めてにしては上出来と、娘の舌技に満足した秋子は、祐一に向き直った。

「さてと、祐一さん」
 秋子は怪しく瞳を輝かせ、床に手を伸ばす。
 床から引き上げられた円柱状の容器には、月明かりを照り返す液体が詰められている。
「うふふふ、これ、なんだか分かります? ローションですよ」
 秋子はふたを開けると、
 粘性に富む半透明の液体を祐一の胸に垂らし、手の平で薄く伸ばした。
 身体をくの字に折ると、秋子は豊かな乳房を祐一の胸板に乗せた。
「はああ・・・」
 秋子の腰の動きに合わせ、乳房がローションの上を滑る。
 乳首が秋子の乳房と触れ合うたびに、祐一は高く唸った。
「これはどうかしら」
 腰の動きを止めると、秋子は、自分の乳首を祐一のそれにあてがう。
「ああ・・・はああ・・・」
「ああん・・・」
 喘いだのは祐一だけではない。
 秋子も突起の先端を刺激され、軽く背をそらした。
 乳首が押し当てられるたびに、二人は頬を上気させ、喘ぐ。
 祐一に、第二の射精が訪れようとしている。
 秋子が乳房をあてがう間も、名雪は祐一の陰茎に舌を這わせていた。
 上下の性感帯を同時に刺激される祐一に、もはや抵抗の意志はない。
 息苦しくなった名雪がくわえていた陰茎を放したその瞬間、精子が吐き出された。
「きゃっ・・・」
 名雪の顔は、白濁の液体にまみれた。
 形容しがたい異臭に鼻腔をつかれ、名雪の表情は苦悶に歪む。
「あらあら」
 弾力に富む乳房を祐一の胸板に乗せたまま、秋子は肩越しに娘を見やった。
 秋子は身体を起こすと、今にも泣き出しそうな名雪に寄り添う。
 名雪の頬に手を添えた秋子は、子の傷口を舐める親猫のように、したたる精子を舐めとった。
「名雪もすぐに慣れるわよ」
 そう言って、名雪に軽く口付けた。

 秋子は振り返り、呼吸を整える祐一に視線を移す。
「それにしても祐一さん、すごいですね。
 二回目なのにあんなに出るなんて。やっぱり若いからかしら」
 秋子は一呼吸おき、続ける。
「これなら、三回目も大丈夫ね」
 ・・・祐一は、イエスともノーとも言わなかった。
 もはや、それだけの気力を失っていたし、答えたところで聞き入れられるはずがない。
「名雪、よく見ておくのよ」
 祐一の下腹部をまたぐように、秋子は馬乗りの姿勢になった。
 股下の陰茎に右手を伸ばすと、腰を低くし、膣にあてがう。
 膝の力を抜くと、重力に任せてゆっくりと腰を沈める。
「あああああん!」
 祐一の陰茎が、秋子の膣を埋めてゆく。
「くうう・・・」
 犯される側の祐一も、陰茎を包む肉の感触に、第三の射精を予感した。
 腰を沈めきった秋子は前かがみになり、祐一の腹に両手を乗せる。
 秋子は深く息を吐き、激しく腰を振り始めた。
「あああん!」
 陰茎と膣の摩擦が、オス・メス双方の本能を満たす快楽の波を呼び起こす。
 腰の反復運動に合わせ、秋子の乳房が上下に激しく揺れ、突起の軌跡は桜色の楕円を描く。
「はあはあ・・・祐一さん・・・」
 うわ言のように喘ぐ秋子。

 理性と悟性を捨て去り、快楽の大海に溺れるその様は、さながら獣の交尾を思わせる。
 性器の結合部から、粘性に富む液体をすくい上げるような卑猥な音が漏れ始めた。
 持ち上げた腰が重力に引かれ、陰茎の根に達するたびに、惜しげもなく精液が溢れる。
 陰茎と膣に挟まれた精液は潤滑油の役目を果たし、反復運動を加速する。
 しかしそれでも、秋子ひとりの力では限度があった。
「はあはあ・・・祐一さん・・・お願い・・・」
 秋子は、見下ろす瞳で嘆願する。
 弾けかかっていた祐一の意識が引き裂かれた。
 祐一は、秋子を乗せた腰を激しく突き上げた。
「ああああん!」
 激しく鋭い性器の摩擦が、秋子の瞳に恍惚の輝きを宿らせた。
 端正な乳房は、付け根が引きちぎれんばかりに揺れる。
 やがて乳房はしなり、ムチ打つような音を立てる。
 オスは野太く、メスはオスの欲情を駆り立てるように喘ぐ。
 性器から漏れる卑猥な音、乳房のしなり、獣の喘ぎが、
 悦楽の園に不協和音を奏でていた。
 秋子の声が枯れ始めると同時に膣が収縮し、祐一の射精を促す。
「あああああん!!」
 腰の反復運動が最高潮に達した。
 秋子が果てると同時に、祐一も射精した。
 膣に包まれた陰茎の脈動は激しく、これまでになく熱い精子を吐き出す。
 挿入された性器をそのままに、秋子は祐一の胸に頭を預けた。

 秋子は呼吸を整えると、残された力を搾り出し、性器の結合を解いた。
 ベッドに横たわり、快楽の波が去るのを待つ。
 火照った身体が冷めた秋子は、視線の高さを同じくする祐一を見やった。
「すごいんですね、祐一さん」
 しかし、祐一の耳にその声は届かない。
 今、祐一の思考回路を満たしているのは、
 今度こそ解放されるであろうという期待だった。
 そんな祐一を気に留めることもなく、
 秋子は、二人の性行為を見ていたであろう名雪に視線を移した。
 軽く頬をほころばせると、立ち上がり、名雪の側に歩み寄る。
「うふふふ」
 秋子は、不敵な笑みに戸惑う名雪の背後に回ると、
 太ももに手をかけ、腰を持ち上げた。
「祐一さん、名雪を大人の女にしてあげて」
 その一言に、二人は目を丸くした。
「お、お母さん・・・」
 秋子は、名雪の膣に陰茎をあてがった。
「あああああん!」
 破瓜を示す鮮血が膣から漏れ、名雪の表情は苦悶に歪んでいる。
 ・・・祐一の夜は終わらない。

 〜 FIN 〜




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